KV260について
性能が良いのに激安と話題。しかもVCU(Video Coding Unit)までついていますので色々遊べそう。姉妹品のKR260もあります。KV260はEthernetが4ポート(PS 2ch,PL 2ch)と10GSFPもあるようで色々と遊べそう。
届いたので色々調べていきます.ここを参考にしています.
仕様
以下引用
パラメーター | KV260 |
---|---|
デバイス | Zynq® UltraScale+™ MPSoC |
フォーム ファクター | SOM + キャリア カード + 熱管理ソリューション |
スターター キット サイズ | 119mm x 140mm x 36mm |
熱冷却ソリューション | アクティブ (ファン + ヒートシンク) |
システム ロジック セル | 256K |
ブロック RAM ブロック | 144 |
UltraRAM ブロック | 64 |
DSP スライス | 1.2K |
イーサネット インターフェイス | 10/100/1000Mb/s (x1) |
DDR メモリ | 4GB (4 x 512Mb x 16 ビット) [ECC なし] |
プライマリ ブート メモリ | 512Mb QSPI |
セカンダリ ブート メモリ | SDHC カード |
デバイス セキュリティ | セキュア ブートをサポートする Zynq UltraScale+ MPSoC のハードウェア RoT (root of trust)。メジャー ブートをサポートする Infineon 社製 TPM2.0。 |
イメージ センサー プロセッサ | OnSemi AP1302 ISP |
IAS MIPI センサー インターフェイス | x2 |
Raspberry Pi カメラ インターフェイス | x1 |
Pmod 12-ピン インターフェイス | x1 |
USB3.0/2.0 インターフェイス | x 4 |
DisplayPort 1.2a | x1 |
HDMI 1.4 | x1 |
FPGAの型番について
なお、なぜか仕様には公開されていないようですがSOMの中身はLUTなどの数値からXilinx Zynq Ultrascale+ MPSoC ZU5EVのようです。普通に石単体で買うととても買える値段ではないのでSOMにしてもらうことでこの価格で提供してもらえて大変助かります。
EVシリーズはGPUにMali-400MP2とVCUでH.264/H.265のエンコード・デコードに対応しています。ちょっとみてみると4K30fps, 1080p 4chまでに対応しているようです。そのうち試してみようと思います。
引用: DS891 Zynq UltraScale+ MPSoC データ シート: 概要 (DS891)
電源
スタートガイドによると電源はDCジャック 12V3A センタープラス 内径2.5mmのものです.普通は2.1なので刺さりません.秋月で変換が売っています.
12V3A持っていて変換だけ欲しい人
そもそも電源もないので一緒に欲しい人
また,電源をそもそも持っていない人はAmazonだとこれとかが良いと思います.Amazonはすぐに在庫なくなるので在庫が切れてたら2.5mmって調べると出るかもしれません→調べてみたらほとんどなくて60Wとかのでかいのしかないようなので普通に秋月で2.1mmの12V 2AくらいのACアダプタを買って変換アダプタ使ったほうが良さそうです。 PSEとか気にする人であれば秋月で12VACアダプタと変換コネクタを一緒に買うことをおすすめします。
その他の詳しい情報
なひたふさんが詳しい5Vで動かす場合,DCジャックに直にはんだ付けする場合など電源事情について解説しています.
nahitafu.cocolog-nifty.com nahitafu.cocolog-nifty.com
K26 SOM への電源投入
• KV260 スターター キット キャリア カード オンボード レギュレータが 5V 電源を生成し、ほかの電圧レギュレー タに電源を供給します。
• SOM 電源レール (VCC_SOM) には、5V 電源が供給されます。
• その後、SOM オンボード電源投入シーケンスが開始します。 • SOM が VCCOEN_S_M2C および VCCOEN_PL_M2C 信号をアサートした後、キャリア カードがプロセッシング システム (PS) およびプログラマブル ロジック (PL) に VCCO 電圧レールを供給します。
MIPI周り
自分がそのへんよく使うので気になりました.
スターターキットガイドによるとこのようになっているようです.Picamera用のコネクタ,せっかくなら4Lane出してほしかった・・・.4LaneでているものはIASコネクタというやつですがこれはOnSemiのカメラの規格のようです.使いたければOnsemiのカメラを買うしかないようです.
これなんかはAP1302というIASコネクタのセンサが含まれているキットのようです.
ちなみに回路図はここからDLできます.
https://japan.xilinx.com/products/som/kria/kv260-vision-starter-kit.html#documentation
ISP
IAS0にはISPが挟まっています.これは何でしょう.回路図を見るとAP1302: Image Signal Processor, 13 MPというもののようです.
Frame rate reduction, image resizing, face detection, digital zoom / pan, OSD
Combining two MIPI camera interfaces to one MIPI output port
などができるようです.画像の縮小やズーム,OSDなどができるらしい.顔認識ってどれくらいできるのか・どのレベルでできるのか気になるところです.Linuxから扱う場合ドライバなど提供されているのでしょうか.VCUを使ってEncode decodeするデモではISPを通しているようなので何か必要な処理をしているのでしょうか.
HDMI DP周り
その他はHDMIとDPを分けるVideo Splitterというのが気になります.これは何.
チップを見るとstdp4320のようです.ざっと見てみるとこれを通して入力映像をどちらかのポートもしくは複製することができるようです.別々に使うことはできないのかな.
Pmod周り
Pmodピンについて調べていたのですが、SOMのデータシートだけではピンの速度や仕様がわからなかったので調べました。SOMの回路図とMPSoC ZU5EVの配線図を照らし合わせると該当のHDA11-HDA18ピンでFPGA側にはA16につながっています。
ピンには速度で分かれたHD(IOB High Density)とHP(IOB High Performance )があり、MPSoCの電気仕様を見るとHDはSDRで125Mb/s, DDRで250Mb/sと記載がありました。ISERDESでは625Mb/sです。HPは625Mb/s、OSERDESを使うと1250Mb/sだそうです。
引用回路図:xtp682-kria-k26-carrier-card-schematic Kria K26 システム オン モジュール (SOM) 引用:DS925 - Zynq UltraScale+ MPSoC データシート: DC 特性および AC スイッチ特性 Zynq UltraScale+ MPSoC データシート: DC 特性および AC スイッチ特性 (DS925)
その他
Pmodがあって便利ですね.ちょっと信号出したいときとかとても重宝します.
個人的に注目呈しているのがVCUというやつで,映像のEncoderとDecoderが入っているようです.具体的に使い方はよくわかりませんので今後データシート読んでまたまとめます.IAS1306を使ったデモでもVCUのDecodeやEncodeをやっているようなのでこのカメラを入手したいところですね・・・ →IASってコネクタ、普通にRaspiカメラとかについてるIMX219でも同じように見えるけど使えるのかな
デモが提供さている
2つあるようです.
Ubuntu 20.04 + Ubuntu AI デモ - 新規
- ラップトップ/PC への接続が不要のデスクトップ環境を実現する。
- Ubuntu コミュニティの豊富なサードパーティ ソフトウェア ライブラリを利用する。
- NLP-SmartVision (今後、Kria アプリ ストアの多くのアクセラレーション アプリケーションが互換性を備えるようになる) デモを実行して、Ubuntu アプリケーションを実行している KV260 を評価する。
PetaLinux 2021.1 + アクセラレーション アプリケーション
- ザイリンクスのプロセッシング システム上でエンベデッド Linux ソリューションをカスタマイズ、ビルド、およびデプロイするために必要なもの取得する。
- Yocto レイヤーおよびそれに対応する PetaLinux スターター キットの BSP を使用してフル カスタマイズするためのベースラインを提供する。
- K26 SOM BSP の PetaLinux プロダクション SOM イネーブルメントと協調する。
- Kria アプリ ストアにあるすべてのアクセラレーション アプリケーションを実行して、PetaLinux アプリケーションを実行している KV260 を評価する (現在の手順は、PetaLinux ベースのアプリケーションに特化したものである)。
https://github.com/Xilinx/kria-vitis-platforms
https://xilinx-wiki.atlassian.net/wiki/spaces/A/pages/1641152513/Kria+K26+SOM
次回からはこの辺のデモをやってみたいと思います. 次回作です.
今回はこんな感じで.薄味ですみません.