はじめに
電子工作で使われがちなコネクタを紹介し、使える工具を紹介します。これを見れば、これまでコネクタを使った電子工作をしたことがなくてもできるようなります。これを通して必要になった時に調べて自分で選んで使えるようになることを目指します。
色々コネクタ試して苦労した経験があったので参考にしてお金と時間と苦労を節約していただければ幸いです。
※かなり前に記事を書きましたが、だいぶ古くなってきたのでここで書き直しておこうと思います。(前のは公開したままにしてありますが、こちらに誘導するようにしています)
- はじめに
- コネクタを使おう
- 電子工作で使われがちなコネクタ
- 信号用コネクタ
- リボンケーブル MILコネクタ
- フレキシブルケーブル(FFC)コネクタ
- 圧着工具編
- 実際に圧着をしてみる
- 電源コネクタ
- まとめ
コネクタを使おう
電子工作をしているとたまに、謎の白いコネクタを使って基板と基板を接続していたり、電源をコネクタで供給していたり、かっこいいですよね。
コネクタを使うメリット
- 基板と部品を切り離せる
- 壊れた時に交換しやすい
- 持ち運びしやすい
- 引っ張った時にダメージを抑えられる
- 見た目がプロっぽい
コネクタを使うとデメリット
- コネクタが壊れることがある(障害点が増える)
- ちゃんと圧着できてないと接続不良を起こす
- そもそも圧着がだるい・手が疲れる
なかなかハードル高く見えるコネクタですが、できるだけ基板に直付けせずにコネクタ化したほうが色々と良いです。(信頼性のために逆にコネクタ化しないケースもあります)
電子工作で使われがちなコネクタ
と言っても色々あります。大きく分けて信号用コネクタと電源用コネクタで分けられます。
信号用コネクタ
いわゆる普通の信号を流すためのコネクタです。と言っても、適切な電流であればこのコネクタに信号と電源を流してももちろんOKです。電子工作ではJST(日本圧着端子製造)のものが多く使われている印象です。
コネクタは基本的にコンタクトソケットピン・ハウジング・(ベースポスト)の3つのパーツからなります。名称は人によって言い方が違うのでアレですが、メスのピン・メスピンを入れるハウジング・基板側につけるピンの3つから成ります。
コネクタには垂直につくものと水平に付くものがあり実装場所によって選びます。また、コネクタごとに使えるケーブルの太さが決まっており、小さいコネクタに太いケーブルを圧着してしまうとハウジングに入らなくて激萎えするみたいなことが発生します。
電子工作レベルでよく使うのは、QI 2550コネクタ・JST XHコネクタ・JST PHコネクタあたりです。
電子工作圧着端子早見表
わかる人はこれをみるのが早いです。Molex系が欠如しているのですが、著者に単純に使用経験と工具を持ち合わせてなく知識がないだけです。誰か教えてください。
ピッチ | 電流 | 対応するケーブル(AWG) | 接触抵抗 | URL | |
---|---|---|---|---|---|
QI 2550コネクタ | 2.55mm? | 3A | 28-22 | 20mΩ | https://akizukidenshi.com/catalog/g/g112160/ |
JST XH | 2.5mm | 3A | 32-22 | 20mΩ | https://www.jst-mfg.com/product/index.php?series=277 |
JST PH | 2mm | 2A | 32-24 | 20mΩ | https://www.jst-mfg.com/product/index.php?series=199 |
JST ZH | 1.5mm | 1A | 32-26 | 30mΩ | https://www.jst-mfg.com/product/index.php?series=287 |
JST SH | 1mm | 1A | 32-28 | 40mΩ | https://www.jst-mfg.com/product/index.php?series=231 |
QI2550コネクタ
よく使います。
これの正確な名称知らないのですが..誰か教えてください。秋月電子によれば、QIコネクタ、2550コネクタと呼ばれているそうです。PS.デュポンコネクタとも言われるみたいです(そういえばどこかの通販サイトで書いてあったような気が)。歴史の変遷はこのサイトがとてもわかりやすいち教えてもらいました。 iothonpo.com
コネクタ用ハウジング 1P: ケーブル・コネクタ 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
2列のものもあり、14ピンなど大きいものもあります。また、中継用のオスピンもあります。電流は3Aまで流せます。(知らんかった)22AWG--28AWGまで対応です。
秋月電子などで入手可能です。Amazonでもセット品が入手可能です。(特に品質で問題と思ったことはないです)
メリットは汎用性で、2.54mmピッチのコネクタなので通常のユニバーサル基板などなんでも使えます。そしてピン側はいわゆる、通常のピンヘッダが刺さります。なので適当に拡張用にピンヘッダを生やしておけば後でこのコネクタをつけて拡張することができます。
問題は逆に刺さることです。当然左右対称なので普通に間違えます。ただ、1ピンを示す三角マークはついてるので一応識別は可能です。
ラジコン・ドローンのESCやサーボで使われているコネクタもこれの3Pです。 akizukidenshi.com
例えばこれはコネクタピン akizukidenshi.com
コネクタに使う場合は細ピンヘッダは細くて抜けるし接触不良になるので使わないようにしましょう。細ピンヘッダはブレッドボードに挿すもの向けです。
JST XHコネクタ
よく使います。
JSTの2.5mmピッチのコネクタです。2.5mmピッチなのでユニバーサル基板ピッチである2.54mmと若干違いますが刺さります。普通に問題なく使えるので、電子工作に最も使われている圧着端子の一つです。特にこだわりがなければこれを使うことをおすすめします。ピン数も2Pから10Pまで幅広くあるので大体事足ります。AWG22--30まで対応します。
刺さる方向が決まっています。逆に刺さることがないので積極的に使っていきたい。また、電流も3Aとたくさん流せるので電源と信号を一緒に使うこともよくあります。ガッチリ刺さるので引っ張っても抜けることはないです。大きいので圧着もしやすく、便利です。
問題は、少しサイズが大きいことくらいでしょうか。サイズ的に余裕がある場合はこれが良いです。意外と高さ方向があるので注意です。
ちなみに、リポバッテリーによくついてるバランスコネクタはXHです。
これが受け側(ベースポスト) akizukidenshi.com
コネクタピン(コンタクト) akizukidenshi.com
JST PHコネクタ
よく使います。
JSTの2mmピッチコネクタです。2mmピッチなのでユニバーサル基板には刺さりません。自作基板などやる場合はXHよりも一回り小さいサイズなので小型化ができます。圧着はまあできるサイズで、問題ないです。高さ方向がXHより大幅に小さくなっています。
電流は2Aまで流せるのでちょっとしたモーターくらいなら耐えます。AWG24--32まで対応しているのでかなり細い線まで行けるんですね。これは個人的に意見になりますが24AWGは結構ギチギチになるので28くらいをおすすめします。
JST ZHコネクタ
さらに小さいやつです。1.5mmピッチでかなり小さく感じます。かなり頑張って小型化が必要な時に使います。圧着は....ちょっと辛いサイズになってきます。(慣れればできますが私は不器用なのでストレスフルでした)
1Aまでなのでマイコンの電源くらいなら大丈夫そうです。AWG26--32に対応していますが、体感28AWGより細くないときついです。30くらいからが楽です。
小型化を追求する中級者上級者におすすめです。
akizukidenshi.com akizukidenshi.com akizukidenshi.com
JST PAコネクタ
2.0mmピッチのPHコネクタのロック機構付き版と考えて良いです。PHよりも強力につくので振動があるような場所だと良いです。#28--22対応で、3A流せます。
JST NHコネクタ
2.5mmピッチでユニバーサル基板に刺さります。今までのと比べるとクソデカです。#30--22に対応、3A流せます。普通の工作ではあんまり使わないです。
他にもELコネクタなどたくさん種類がありますが、電子工作(初心者)ではあまり使うことがないので割愛します。コネクタは割と沼です。
コネクタどこで買うの?
これは難しいんですが、大事なところで使う場合は秋月電子や千石などの有名なところで買うことをおすすめします。Amazonでも非常に便利なセットが売っており、よく買っているのですが(特にJST品は)純正でないためやはり品質が良くなく、秋月等で購入したものよりピンやハウジングの成形品質に問題がある印象です。このため、すぐにすっぽ抜けたり、ピンがハウジングに入らなくて禿げたりします。とはいっても実際面倒なのでAmazonでもよく買いますが、ここぞと必要な時に使えるように純正も両方揃えておくことをおすすめします。普段の雑な用途とかなら互換品でも全然良いかな...と個人的には思います。
例えばAmazonのセットはこういうもの(すぐに品切れになるのでいくつか候補を出しておきます。)
JST XHコネクタ
QI2550コネクタ
たくさんピン数が欲しい
リボンケーブル MILコネクタ
2×7ピン(14P)両端コネクタ付リボンケーブル(フラットケーブル): ケーブル・コネクタ 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
リボンケーブルでいっぱい信号を伝えたい時はMILコネクタのものを使うことがあります。このコネクタは自分で万力などを使って圧着することができるほか、圧着ずみのものも売ってます。受け側はこのようなボックスヘッダを使うと逆に接続することがなく安全ですが、通常の2.54mmピンヘッダ2x5とかでも問題なく刺さります。とりあえずピンヘッダを生やしてしまった場合に便利です。
このようなヘッダソケットを使えば自作することもできますが、指定の太さのリボンケーブルを用意する必要があります。あと、垂直に万力で挟まないと悲しいことになります。
フレキシブルケーブル(FFC)コネクタ
これに関しては圧着端子ですらないので興味なかったら読み飛ばしてください。 MILコネクタを使ってるほど場所がない場合は、フレキシブルケーブルを使って配線することがあります。フレキは大体規格が決まっており、よく使うのは1.0mmピッチと0.5mmピッチです。
フレキはOpposite sideとSame sideで分かれており、Opposite sideは1ピンがもう一方の1ピンにくるストレート結線のような状態で、Same Sideは1ピンが10ピンのように逆側になっています。直感的でないのですが、フレキシブルケーブルは同じ側が露出していると指す側としては逆となり、Sameが逆、Oppositeが正となります。すなわち、普通に1ピン→1ピン、2ピン→2ピンとなるように接続したければOpposite Sideを選びましょう。(1敗)
1.0mmはRaspi cameraで使われているようなMIPI CSI-2でもよく目にします。普通にコネクタ買ってはんだ付けすれば使えます。ちなみにRaspiの場合は1mmピッチ15Pです。
FFC1.0mm
例えばこの辺。(Aitendo)正直探せばAmazonにもあります。
https://www.aitendo.com/product/14561
1mmのFFCケーブルはこの辺にあります。欲しい長さ、sideを選びましょう。
FFC0.5mm
0.5mmは良く内部配線で使われている印象です。これはかなり小さいので手ハンダ大変ですができます。でもあまり取り外しが想定されていないような耐久性ですので注意です。
Aitendoでは0.5mmも扱ってますね。すごい。
ケーブルはこの辺です。
圧着工具編
ここからは圧着端子をかしめるための圧着工具です。
工具は色々ありますが、初心者でもしやすく入手し易いものを紹介します。あと自分が普段使ってるものも紹介します。
ここまで紹介してきたコネクタはオープンバレルと呼ばれるコネクタの種類となります。コンタクトピンの中に先端を向いた線を入れて、工具でピンを折り曲げて線材と被覆に食い込むように折り曲げることで圧着しています。
過去にもちょっと紹介していますがアップデートです。
圧着工具の選び方
工具の選びかたとしては、本当は純正のものを使うのが良いです。メーカーが規定の引張強度を満たすように折り曲げ加工できるように設計された専用工具で、例えばJST XHならXHにしか使うことができません。プロならそうすべきですが、我々アマチュアの電子工作からすると専用工具を揃えることは現実的ではないです。(値段が一つ10万─ 20万くらいしてクソ高い)
そこで巷では、汎用圧着工具というピンのサイズだけ合致していればXHだろうがPHだろうがQIだろうが使うことができる工具を利用することが多いです。一つの工具で色々なものを圧着できるので経済的に嬉しいです。ただ、圧着品質は専用品と比べると落ちますが、通常問題になるようなものは少ないです。ただし、専用ではない分、若干圧着がやりにくかったり、ピンのサイズが若干合わず圧着しづらい、コツが必要になってしまいます。(これは仕方ない)
以下にはそのような汎用の圧着工具を紹介します。
IWISS SN-01BM
とりあえずこれ買っとけ工具です。新定番となりつつある、激安・高性能な工具です。よく使うJST XH、PHに対応してますのでそれがやりたい時はとりあえずこれを買っておけばいいです。なんといってもこの価格でラチェット機構が付いてます。カチカチと握り込んで、手を離しても弛まないような仕組みが入っています。一番良いのが、心線と被覆を同時に圧着できることです。エンジニアPAシリーズは1回で圧着できませんでしたがこれは1回のかしめで全部できます。手間が半分でほんと便利。
Engineer PA-09
いわずとしれた工具です。入門で多く使われるもので多くのサイズに対応しているので一つ持っておいて損ないです。1.0mmからなのでZHやSHコネクタからPH, XH, QI2550まで対応できるはずです。(→これ実は対応してないらしいです。試したところ問題なかったですが一応非推奨らしいです。公式で対応しているのはPA-24みたいです。)
この圧着工具はラチェット機構がなくバネで常に開こうとするので少し力が必要です。また、心線部と被覆部を別々に2回圧着する必要があり、手間が少しかかります。
Engineer PA-24
調べていると、PA-09よりも公式でしっかりと色々対応していそうなやつがありました。これはQiコネクタも公式に対応してるみたいです。(手元のでやってみたところPA09でもできましたけどね)
PA24もXHとかPHいけるみたいです。しかし、1.6mmまでなのでそれより小さいコネクタは使えません。
IWISS IWS-3220M
ZHやSHなど1mmピッチに迫る小型コネクタをやりたい時はこれが便利です。同様にラチェット付き、1回で圧着できます。垂直に開くので綺麗に圧着できるっぽいですが、逆にコネクタ入れにくいなって....
でも便利なので小さいコネクタやるのであればおすすめです。
MISUMI 圧着工具
MISUMIが使える人は本当におすすめしたい。入手可能であれば一番おすすめしています. ほぼ純正と変わらん性能が出る(個人感想)ので普段はもっぱらこれしか使ってないです。ハンドルもパワー入るし、1回で圧着できるし、ラチェットもあるし...各種サイズに対応してます。ZHコネクタがなくて悲しい...
見えるか微妙ですが、心線部と被覆部が一回で圧着できるように段々になっています。
工具が結構開くのでコネクタ入れやすいですが手が小さい人は辛いかも。
注意?ですがXHならXH用、PHならPH用をそれぞれ購入する必要があります。IWISSとかPA-09なら一つでいっぱい使えますが、MISUMIのこれはそのコネクタ専用となっていますのでそれぞれ工具が専用となっていることに注意しましょう。(だからこその精度・圧着しやすさだとは思います)
QIコネクタ(MILコネクタ)対応MSHT-H01 メンテナンス|MISUMI(ミスミ) | 総合Webカタログ
XHコネクタ対応MSHT-J01 jp.misumi-ec.com
PHコネクタ対応MSHT-J04 jp.misumi-ec.com
ELコネクタ対応MSHT-J05 jp.misumi-ec.com
IWISS IWS-03BE(HS-03BE)
タミヤコネクタ(Lコネクタ)(ラジコンでよく使われるやつ)を圧着するのにぴったりでした。実は車、バイクをいじるために買っていたのですが、汎用のオープンバレルに対応してるのでこれにも対応できましたので共有です。ラチェット付きで、心線、被覆一回でかしめられるのでおすすめです。力もそこまでいらなくてよかったです。
純正
仕事でやるなら純正を使いましょう。間違いない品質です。文句なしです。
実際に圧着をしてみる
ここではXH, PH, Qiを実際に圧着してみます。どれも圧着のやり方は同じです。
PA-09を使った圧着(QIコネクタ)
2回圧着する必要があるパターンです。
ハウジングとコンタクトを用意
コンタクトは心線部と被覆部の二つから成り立ちます。写真で言うと四角い方に近い左側の起き上がってる部分が心線部を圧着する場所、右側のより起き上がってるのが高い方が被覆に巻きつく・食い込んで固定する被覆部となります。PA-09の場合はまず心線部を圧着した後、被覆部を圧着する必要があります。
心線部を適切な大きさのダイスにコンタクトをセットします。この時、大きすぎても小さすぎても圧着不良になるので気をつけます。参考
ワイヤストリッパで線を剥いておきます。大体2mmくらい剥きます。剥くのが長すぎると心線部から飛び出してしまうのでそれもまた問題です。短すぎると心線部で圧着する距離が短すぎて不良となります。このどれくらい剥けばいいかを掴むのが圧着上達のコツです。 ちなみに、使ってるワイヤストリッパはこれです。話はそれますが、電子工作で多用する30--20AWGくらいケーブルに対応して全部これでOKです。ケーブルを切断できる刃がついてて、これが切れ味抜群すぎて神です。これ高校生の頃に学校で配られてからずっと使ってリピートしています。超おすすめです。 過去にめちゃくちゃ工具紹介してるのを書いたのでよければ参考にしてください。 fumimaker.net
ケーブルをコンタクトの心線部に合うように挿入して握り込みます
心線部の圧着ができました
続いて被覆部の圧着をします。同様に位置を合わせてかしめます。
完成しました。いい感じです。
PA-09を使った圧着(XHコネクタ)
一式用意します。 ケーブルをストリッパで剥きます。 被覆部にダイスが来るように位置を調整します。 あらかじめ剥いておいたケーブルを挿入して握り込み圧着します。
被覆部を圧着します。位置を合わせます。
今回は4Pコネクタを作るのでこれを4回やります。
ハウジングに挿入します。爪(ぬけどめ)がカチッとなるまで入れます。
1回で圧着できる工具の場合(IWISSやMISUMI)
ケーブルを剥いておきます。 コネクタを工具にセットします。この時、ダイス(ピンが通る四角い部分)が圧着される部分にかからないように気をつけます。もしダイスまでかかるように圧着してしまうとダイスごとぐちゃっと潰されて圧着失敗します。
剥いたケーブルを挿入します。この時、長すぎるとダイスのところまで心線が出てしまうし、短すぎると心線部がたりず接触不良となります。
完成です。心線部は心線部で、被覆部は被覆部でそれぞれカシメられている事がわかります。剥く長さに限らず、剥いた心線がくる位置をしっかりと想像しながらセットする事が成功のコツです。
圧着済みのケーブルを買って使うもヨシ
圧着って結構力を使いますし、いっぱい作ってるとだるくなってきます。具体的な操作で言うと結構多くて、
- 被覆を剥いて
- ピンを一合わせして工具にセット
- 線を位置合わせして挿入
- 握りこむ
- 工具から端子を外す
- これをピン数回繰り返す(4Pなら4回)
- さらにこれを両側繰り返す(2回)
なるとうんざりしてくるかもしれません....実際、一つでもミスるとケーブルの長さが変わってしまって不格好になってしまったりその状態で無理やり使うと長さが違うことで1本のケーブルだけに張力がかかってしまい断線する、ってこともあるあるです。
ワンオフではなくたくさん同じものを作るのは大変、楽をしたいって思うことが出てくると思います。そのような時に取れる手段は
- 圧着済みのケーブルを買って使う
- カスタムハーネスの外注依頼をする
1については常套手段です。JST ZHやJST SHくらいの1mmピッチ近くの細かいコネクタは最近高密度化で結構使われることがありますが流石に手で作るのは大変です。(やったんですが大変でもうやりたくない)
なので最初から圧着済みのケーブルが存在しています。これを使えば基板に受け側のピンをはんだ付けするだけで利用することができ大変便利です。
例えば秋月だとQI2550の4ピンや、MILコネクタの2x5P(10P)もあります。
Qi2550 6P
MIL10P
JST SH 6P
JST PH 4P
JST ZH 4P
もちろん全てのコネクタ全てのピン数であるわけではないので、ある程度売ってるものを使う前提で設計しても良いかもしれません。秋月以外には千石電商や、Aitendoなんかも売ってます。
例えばAitendoだと
JST ZH
JST XH
みたいな感じでいっぱい扱ってます。(Aitendoが一番品揃えが良いかも?)
カスタムハーネスの外注依頼をする
これは通常の電子工作だとあまりないと思いますが、少し特殊なのを10個とか20個とか必要になってくると買えないし、作るのは大変だし困ったってなるかもしれないです。
その場合はカスタムでケーブルを作ってくれるサービスがいくつかあります。
例えばマルツのカスタムハーネス制作
MISUMIのカスタムハーネス
みたいな感じで見積もりしてもらって、調達(もしくはこちらが調達して先方に送る)、制作のような流れです。
電源コネクタ
ここからは圧着端子ではないのですが、関連する電源コネクタになります。興味がなければ読み飛ばしてください。
LIPOバッテリーでブラシレスモーターをPOWERRRRRRRRRRをしたい時などたくさん電流を流すところではそれ相応のコネクタを使わないと普通に燃えます。あと、接触抵抗のせいで電圧降下するし、熱くなって溶けるしいいことありません。先ほど紹介したJSTコネクタもXHコネクタなら3A流せるので大抵の用途であれば問題ないです。
よく使われるのは定番のDC2.1mmコネクタ、XT30, XT60, XT90といったXTコネクタです。
2.1mmDCコネクタ
絶対に見たことがあるやつ。家に転がってるACアダプタも電源として使うことができて便利です。しかし受け側はユニバーサル基板にそのまま刺さらないので、変換基板を介してユニバーサル基板に繋ぐ必要があります。
ネジになっており回すと内部が配線できるようになっています。はんだ付けをすればOKです。保護キャップははんだ付けする前に入れましょう。(n敗)
センタープラスとセンターマイナス品が存在します。基本的にはセンタープラスで外側がマイナスです。たま──── にセンターマイナスが存在しており、機器を破壊することがあるので良く見るようにしましょう。あと、当然ですが同じ形状で異なる電圧が刺さるので気をつけましょう。
KV260に過電圧かけてしまい壊したっぽい😇😇😇😇😇😇😇😇😇😇
— fumi (@fumi_maker) January 25, 2024
XTコネクタ
パワーを通したいならこれ。
JSTのXHと紛らわしいですが形も用途も全然違います。XTはXT30, XT60, XT90というラインナップがあります。XTの後の数字がそのまま流せる電流を表しており、かなりの60A, 90Aと大電流まで対応しています。リポバッテリーを使ってかなりパワーを使うようなラジコン・レースドローン・ロボットなどは軒並みこれを使っていますね。
なんといっても抜き差しがしやすい(比較的)。
XT90になると抵抗が入っていてアンチスパーク機構がある種類も存在します。また、電源ラインほかに2ピン信号を通せるXT60Iもあるっぽく、驚きました。(使ったことはないですがなんか通信とかも通せそう。)
基板に取り付けられるものもあります。(これがクソ便利)
XT30はちょっとしたモーターだったら全部対応できてしまうくらい便利だし、小さい。
最近は秋月でも扱っていて便利です。
XTコネクタのはんだ付け
これは圧着でやるわけではないです。ケーブルを直接はんだ付けすればOKです。 3-4mm剥いて、ハンダメッキします。
XT150+AS150
実はさらに化け物みたいなのがあって130Aまで対応したやつもあります。なじみのある黄色いコネクタではなく左右で分離しているコネクタです。10AWG以下の極太ケーブルにも対応するためなのかな?12セルなガチでクソでかいバッテリーを繋ぐ時に使ったくらいです。
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/1359464/
T型(ディーンズ)コネクタ
今はもうほぼ使われてないやつです、XTコネクタが出る前まではみんなこれを使っていました。小型の割に電流が流せて電流が必要な用途は全部これでした。しかし、抜き差しがガチで硬いという問題や刺すときに突入電流で火花を盛大に散らすという問題、端子が結構でていて接触して危険という理由でXTが出てからはめっきり姿を見なくなりました。抜き差しが硬すぎてハンダが負けてケーブルがちぎれたことも何度もあります。グルーガンモリモリしたな・・・。
今でも少し昔のリポバッテリーがこれだったりします。今更使うことはあんまりないですけど、覚えておいても良いですね。
秋月にもありました。
タミヤコネクタ(Lコネクタ)
タミヤのラジコンでは今でも現役のコネクタです。60A流せるらしい。一応圧着端子も売っており、汎用のオープンバレル工具で綺麗に圧着ができました。Amazonを探すとセット品が売っておりこれを使ってみましたが、一応問題なくできました。
まとめ
書き散らしすみませんでした。色々コネクタ試して苦労した経験があったので参考にしてお金と時間と苦労を節約していただければ幸いです。
※かなり前に記事を書きましたが、だいぶ古くなってきたのでここで書き直しておこうと思います。(前のは公開したままにしてありますが、こちらに誘導するようにしています)