fumiLab

fumimakerが作ったもの、やったことについて書いていきます。

鬼畜チップ抵抗キーホルダー実装した話

またまたお久しぶりになってしまいました。ふみです。 一つのことを集中して完成させずあれこれ手を出してしまう持病が発症してしまい、研究室に色々顔だしてたり、授業ちゃんと受けたり、最終課題いっぱい出したり、最終発表いっぱいやったり、予稿何本か書いたりしてるうちに1ヶ月経っていました。
大学生になってここまで忙しかったのは初めてでした。あんまり色々やらずに取捨選択するのも重要だと反省させられる春学期でした。

ということで1ヶ月以上もブログを放置してしまって流石にやばいと思ったので記事を書きます。と言ってもここ1ヶ月間本当にフルに稼働していて何をやっていないので書くことが特にないんですが...ちょっと前にこそっとやったやつを引っ張り出します。

ここまで言い訳です。すみませんでした。さらに精進します。

表面実装抵抗のはんだ付け

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今回実装した基板
皆さんは表面実装の半田付けしたことがありますか?私はほとんど経験なく、最近ようやく使い始めた程度です。というのもそこまで高密度な基板を作る機会が無くてほとんどユニバーサル基板とDIP部品で事足りていたのです。

基板発注のサービスの低価格化

ところが最近、中国・台湾による基板製造サービスが安価に利用可能となり、ホビーユースでも積極的に基板を発注できるようになりました。(高校生くらいまでは基板発注せずに基板を転写・感光してエッチングしていました。今考えると結構頑張っていた。)

2層100mm*100mm10枚までたったの5〜8ドル程度、送料込みで20ドルしません。この安さなら文句ありませんね。手軽に高密度な基板が製作できるようになったのでより小型な表面実装部品を使うようになったというわけです。例えば抵抗は今までDIPで10mmくらいスペース取っていたものが1.6mm, 1.0mmにまで小型化できます。1/10はすごい。
実際に基板製造サービスを使って名刺になる基板を作ってみた記事を書いているのでよければご覧ください。

fumimaker.hatenablog.com

表面実装

さて、表面実装部品には色々な大きさの規格があります。例えば抵抗であれば長辺が2.5mmのものから0.1mmのものまであります。手で半田付けする場合は1608(1.6mm0.8mm)や1005(1.0mm0.5mm)がよく使われます。短辺0.8mmしかないの!?と思う方もいるかもしれませんが意外とピンセットでつまんで半田付けできます。もちろん慣れは必要ですが、普段から趣味は電子工作やっているような方でしたら10個くらい練習すればすぐできるようになるんじゃないでしょうか。(私は下手くそですので基板何枚も作って練習しました)

コンデンサーやマイコン、汎用ICなども表面実装版があって、調べると色々出てきます。ピッチの幅によってSOP、SSOP、TSOPなど色々規格があります。必要な大きさのものを選びましょう。(あんまり小さいとハンダできなくて辛いことになります。)

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今回使用した表面実装抵抗。

そんな小さいものハンダできるのか?

皆さんは「そもそもそんな小さいもの手でハンダできるのか?」という疑問があるでしょう。スマホに使われているような大きさの抵抗やコンデンサの手ハンダは困難です。(だいたい0.6mm*0.3mmくらいが主流っぽいです。)そのような小さい部品をどうやって半田付けするのか?実は、リフローというものを行うことではんだづけを行います。

リフロー

あらかじめクリームハンダを塗って、パーツをのっけて、オーブンのように基板もろとも部品も加熱することでハンダを溶かして実装する方法です。パソコンのマザーボードスマホのロジックボードなど主要な高密度な基板はほとんどこの手法で製造されています。 もちろん欠点もあって、温度管理や、熱に耐えるパーツの選定など結構大変な手間が必要ですが、全てのパーツを一気にハンダづけをすることができます。今まで一個づつやっていたことを考えるとものすごい効率です。

個人でリフロー炉を用意するのでは大掛かりになってしまうので、2000円くらいで売ってるホットプレートを改造してリフロー炉を簡易的につくる試みがなされています。私も今度やってみたら記事にしてみますね。 とはいえ小さい規模の回路であれば手での実装で十分です。個人での電子工作であれば手ハンダするのが多いかと思います。

鬼畜チップ抵抗キーホルダー

技術書展という技術関連の同人誌の即売会でこんなものを見つけました。

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鬼畜表面実装基板
どうやら3216~0603までの抵抗が全て直列に正しくはんだ付けできればLEDが点灯するというキットのようです。「鬼畜チップ抵抗キーホルダー」つまるところハンダづけテストというわけです。これはやってみたい。気がついたら家にありました。おかしいな…

余談ですが技術書展、本以外に実物展示してる人とかキット売ってる人もいて面白いので是非いってみてください。

いざ実装

表面実装は8ヶ月ぶり。色々抜け落ちてる中、思い出しながらの実装となりました。ハンダもりもりになってしまっているのはご愛嬌ということで許してください。表面実装用の0.5mmくらいのハンダ買わないと難しいですね。1.2mmもある電子工作用のハンダとただのタイプBのこて先使っての実装だったので難易度も上がってしまったように感じます。 実際に0603の実装しようとしてみると、まず抵抗のハンダが乗るところが肉眼で見えません。最終的にはピンセットとコテ先の感覚でハンダをしていました。これでいいのか…。
本当は双眼実体顕微鏡など用いてハンダづけをするかリフローするのがいいと思います…が、リフローしちゃダメですよ?って怒られたので今回に限っては諦めて手ハンダしましょう。

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リフローしちゃダメですよ?

どんどん実装していきます。
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ハンダした抵抗たちのピンセット比較。
私が買ったキットにはなぜか1005抵抗が入っておらず代わりに0603が入っていたので1005のパッドに0603の抵抗をはんだ付けすることとなりました。これは試練です。やるしかない。
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ピンセットの先に抵抗があります。見えますか?
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ハンダコテと比較するとこんな感じ。

全部できた!と思ったらハンダ不良でLEDが光りませんでした。温め直したら導通してくれました。よかったよかった。

というわけで無事に青色LEDが点灯することが確認できました。完成したのでカバンにつけておきました。実はこの基板、TD4を実装している息抜きに実装したものです。無限のDIPハンダ地獄から離れて表面実装ができて楽しく実装できました。

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光った!
今回はそんな感じです。